浄化槽の維持管理費を補助する町があります – 神奈川県葉山町/福井市etc…

浄化槽
2022.01.04

神奈川県の葉山町では、合併処理浄化槽を適正に維持管理している住民の方に対して補助金を交付しています。

合併処理浄化槽の維持管理費補助金／葉山町 (hayama.lg.jp)

「浄化槽維持管理費に対して行政から補助金が支給されること」

浄化槽で排水処理がなされている地域では、”非常に強い要望”があるのですが、中々前に進んでいないのが現状です。

浄化槽は下水道と同じく、公衆衛生を保つ上で公的に認められている排水処理施設なのに、下水道だけが収支が合わないからといって一般会計から繰り入れながら、住民負担を平準化されているのには違和感を感じています。

そのような中で、町の補助事業として実際に浄化槽の維持管理に補助がなされているのが葉山町です。

浄化槽の維持管理費に対して葉山町では、市街化区域（下水道がない）に浄化槽を設置する住民に1年で最大7,500円。

葉山町合併処理浄化槽維持管理費補助金交付要綱_H26.4

市街化調整区域に浄化槽を設置する住民に1年で最大17,500円補助することとしています。

葉山町市街化調整区域合併処理浄化槽維持管理費補助金交付要綱_H29.4

清掃と保守点検の料金は地域にもよりますが、5人槽で約3万～5万円の料金がかかることを考えると、

負担を数十パーセントから半分程度を行政が負担することで、下水道と同じように浄化槽も住民負担の平準化が行われているように感じます。

と言っても、イメージがわきにくいと思いますので、福井市が公開している合併処理浄化槽維持管理補助金のイメージ図をご紹介します。

出典：福井市HP

このように、浄化槽に必要な費用は主に清掃・保守点検・法定検査を合計したグラフに対して、赤で囲ったグラフの中の青のグラフである下水道使用料相当額との差額の緑色部分が維持管理補助金相当額になります。福井市の場合、この下水道使用料相当額が常に浄化槽の維持管理費用より少ないためこの差額を補填する（平準化）ためにこの事業を行っていると思います。

合併処理浄化槽の維持管理費補助について | 福井市ホームページ (fukui.lg.jp)

この青い部分の下水道使用料が増加すればするほど、浄化槽維持管理補助金が小さくなるということですが、現実的には人口減少等の社会的要因もあるため逆にこの差が大きくなることも懸念されています。

つまり、人口減少が著しい自治体で下水道事業を始めた自治体はこの差がどんどん大きくなるので、浄化槽を利用する住民の負担はより大きくなることが予想されますし、同時に住民の不満にも直結すると考えられます。