「そもそも浄化槽って何? 下水道とは違うの?」「設置や維持にどのくらいお金がかかるの?」「補助金はもらえるの?」。お客様からよくいただくこの3つの疑問に、鹿児島市・指宿市を中心にお答えします。
この記事のまとめ(2026年10月現在)
- 設置費用:一般的な一戸建て(5人槽)で、工事費込みおよそ70〜120万円が目安です。※諸条件により例外もあります
- 維持管理費:保守点検・清掃で、年間およそ3万円から4万円超が目安です。※地域により価格差があります。法定検査費用を除く
- 補助金:鹿児島市・指宿市では、くみ取り槽や単独処理浄化槽から合併処理浄化槽に替える場合に補助があります。令和8年度は、5人槽の設置費で上限が33.2万円で、ほかに撤去費・宅内配管工事費にも上限があります。また設備費や上限額の方式で、総額に対する手出しの割合は変わります。
浄化槽って何? 下水道とどう違うの?
浄化槽は、各家庭の敷地の中に設置して、トイレや台所・お風呂・洗濯などの汚れた水を、微生物の働きできれいにしてから川や側溝に流す小さな処理施設です。下水道は、汚水を管で処理場まで集めて、まとめて処理する仕組みです。下水道が整備されていない地域では、浄化槽で処理するのが基本になります。
浄化槽には2種類あります。トイレの汚水だけを処理する「単独処理浄化槽」と、台所やお風呂などの生活排水もあわせて処理する「合併処理浄化槽」です。2001年4月からは、単独処理浄化槽は新しく設置できなくなり、現在新設されるのは合併処理浄化槽です。浄化槽は設置した人(管理者)に、保守点検・清掃・法定検査を受ける義務があります。
設置にはどんな費用がかかるの?
浄化槽を設置するときは、浄化槽の本体代と設置工事の費用がかかります。くみ取りトイレや古い浄化槽から切り替える場合は、これらに撤去や配管の工事が加わります。金額は、浄化槽の大きさ(人槽)、敷地や地盤の状況、配管の距離、工事の内容などによって大きく変わり、一概には言えません。
設置をお考えのときは、設置工事を行う専門の業者に現地を見てもらい、見積りを取ってください。見積りでは、どこまでの工事が含まれているかを確かめておくと安心です。なお、お住まいの地域によっては、設置や切り替えに対して市町村の補助金があります(後半で説明します)。
維持管理の費用はどのくらい?
浄化槽は、設置したあとも、次の3つを続ける必要があります。
- 保守点検:水質の確認や機器の調整をします。回数は処理方式や人槽で決まっています(鹿児島県の点検回数の表)。
- 清掃:槽にたまった汚泥を引き抜きます。毎年1回以上が必要です。
- 法定検査:県知事が指定した検査機関が行う水質検査で、毎年1回の定期検査があります。
これらにかかる費用は、浄化槽の種類、人槽、設置されている状況によって異なります。保守点検は点検の回数、清掃は槽の大きさや汚泥の量によって、費用が変わります。法定検査の手数料は、都道府県の指定検査機関が定めています(鹿児島県環境保全協会「検査手数料」)。
当社では、お住まいの浄化槽の種類や設置状況を確認したうえで、保守点検・清掃の内容とお見積りをご案内します。まずはお気軽にご相談ください。
補助金はあるの? どのくらいもらえるの?
下水道が整備されていない地域で、くみ取りトイレや単独処理浄化槽から合併処理浄化槽に替える場合、市町村の補助金があります。鹿児島市と指宿市の令和8年度(2026年度)の制度は次のとおりです。いずれも「上限額」で、実際の工事費が上限より少ない場合は、工事費が補助の対象になります。
| 項目 | 鹿児島市 | 指宿市 |
|---|---|---|
| 対象 | 下水道事業計画区域の外にある既存の住宅などで、単独処理浄化槽またはくみ取り槽から合併処理浄化槽へ転換する場合(新築・建て替えは対象外) | 公共下水道の認可区域の外にある既存の住宅で、くみ取り便槽または単独処理浄化槽から10人槽以下の合併処理浄化槽に設置替えする場合 |
| 設置費(5人槽) | 332,000円 | 332,000円 |
| 設置費(6〜7人槽) | 414,000円 | 414,000円 |
| 設置費(8〜10人槽) | 548,000円 | 548,000円 |
| 単独処理浄化槽の撤去費 | 150,000円 | 150,000円 |
| くみ取り槽(便槽)の撤去費 | 120,000円 | 120,000円 |
| 宅内配管工事費 | 330,000円 | 330,000円 |
| 問い合わせ先 | 環境局環境部環境保全課 099-216-1291 | 環境政策課 0993-22-2111(内線2241・2242) |
出典:鹿児島市は補助金交付要綱の別表(令和8年4月1日施行)、指宿市は市の補助金ページによる。どちらも令和8年度から金額が改正されています。補助は予算の範囲内です。指宿市では、池田湖・鰻池に排水が流入する指定区域で、新築や設置替えで高度処理型の浄化槽を設置する場合は、設置費用の補助(150,000円)があります。
申請で気をつけること
補助金は、手続きの順序を守らないと受けられないことがあります。鹿児島市の場合の流れは次のとおりです。
- 浄化槽設置届出書を提出する
- 補助金交付申請書を提出する
- 浄化槽の工事をする
- 工事完了検査を受ける
- 補助金交付請求書を提出する
- 指定の口座に振り込まれる
特に、工事を始める前に、市への届出と申請を済ませてください。設置届出の審査や建築確認を受けずに設置した場合、法定検査の申込みをしていない場合、市税を滞納している場合などは、補助の対象外です。また、市が工事業者に委託して設置を勧めることはありません。突然の訪問営業には注意してください。
制度の内容は年度ごとに変わることがあります。申請の前に、必ず最新の情報を市の窓口やホームページでご確認ください。
費用で後悔しないためのポイント
- 見積りは内訳まで確認する:設置工事なら、本体・工事・撤去・配管・復旧がどこまで含まれるかを、維持管理なら、保守点検・清掃の内容と年間の回数を確かめます。
- 補助金は工事の前に申請する:着工後では間に合わないことがあります。
- 点検・清掃を欠かさない:怠ると臭いや故障の原因になり、ブロワーの交換など、思わぬ出費につながります。
- 管理を任せる業者を選ぶ:保守点検・清掃の業者は、市町村の登録や許可が必要です。鹿児島市では浄化槽保守点検(清掃)業者の一覧が公開されています。

