浄化槽にはいくつかの処理方式があります。ここでは、一般的にご家庭に設置される合併処理浄化槽(嫌気ろ床接触ばっ気方式)を例に、水がきれいになる仕組みをご説明します。

この記事のポイント

  • 浄化槽の中では、酸素のないところで働く微生物と、酸素のあるところで働く微生物が、順番に汚れを分解しています。
  • 最後に沈殿と消毒を行い、きれいになった水が放流されます。
  • この仕組みは、下水道の終末処理場と基本的な考え方は同じです。

「水がきれいになる」とは?

ここでいう「水がきれいになる」とは、浄化槽の放流水の基準(BOD 20mg/L以下)を満たすことを意味します。BODとは、水の中の有機物(汚れ)が、微生物に分解されるときに必要な酸素の量のことで、数字が小さいほど水がきれいです。

下水道の終末処理場と浄化槽は、工程や施設の大きさに違いはありますが、基本的な考え方は同じです。

汚水がきれいになるまでの流れ

  1. 嫌気ろ床槽(第1室)
    汚水が最初に入ります。固形物を取り除くとともに、「ろ材」についた嫌気性微生物(酸素のないところで働く微生物)が、汚水の中の有機物を分解します。ろ材とは、ろ過に使う、小さな穴がたくさんあいた材料のことです。
  2. 嫌気ろ床槽(第2室)
    もう一つの嫌気ろ床槽を通り、同じ処理を繰り返します。
  3. 接触ばっ気槽
    接触材の表面につく好気性微生物(酸素のあるところで働く微生物)が、ブロワー(送風機)から送られる空気の助けを借りて、さらに溶けている汚れを分解します。
  4. 沈殿槽
    汚れを分解した微生物のかたまり(汚泥)を、沈殿させます。
  5. 消毒槽
    きれいになった上澄みの水を、塩素剤で消毒して、放流します。

浄化槽の種類や処理方式によって、槽の数や構造は異なります。

きれいな水を保つために

こうした工程で汚水が処理されていることに加えて、浄化槽管理士が定期的に点検・清掃を行うことで、排水の基準以下に抑えた形で、河川や海へ放流されています。微生物が元気に働ける状態を保つには、送風機が正しく動いていることや、汚泥がたまりすぎないことが大切です。

保守点検・清掃については、「浄化槽の保守点検」と「浄化槽の清掃」をご覧ください。

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