浄化槽の清掃は、年に1回以上行うことが法律で義務づけられています。では、なぜ清掃が必要なのでしょうか。その理由を知るために、まず、浄化槽の中でどのようなことが起こっているのかを、簡単にご説明します。
この記事のポイント
- 浄化槽の中では、沈む・浮く・たまるといった物理的な作用と、微生物の働きで、汚れが分解されています。
- その過程で、汚泥やスカムといった泥のかたまりが必ずできます。
- これらがたまりすぎると、処理が不十分になったり、悪臭の原因になったりするため、定期的な清掃が必要です。
浄化槽の中で起こっていること
ご家庭から浄化槽に流れ込んだ汚れた水は、浄化槽の中で、沈んだり、浮かんだり、たまったりといった物理的な作用を受けます。そして、その中で、微生物が汚れを分解してくれます。
| 微生物の種類 | よく働く環境 |
|---|---|
| 嫌気性微生物 | 空気(酸素)がない状況で、特によく働きます。 |
| 好気性微生物 | 空気(酸素)がある状況で、特によく働きます。 |
厳密には、嫌気性微生物は、酸素があってもなくても生きられるものと、酸素があると生きられないものに、大きく分けられます。
最初の槽で、汚れをとらえる
まず、浄化槽に入ってきた汚水(有機物)や大きなごみを、第1層(嫌気ろ床槽)でとらえ、嫌気的に処理します。槽の中には、「ろ材」(担体)と呼ばれる、微生物の住みかがあります。そのため、ここでは、嫌気的な処理とともに、好気的な処理も、ある程度行われます。(流れ出てしまっている場合や、第1層にない場合もあります)
「嫌気処理だけが行われるのでは?」と考えがちですが、実際には、汚水の濃さは、時と場合によってさまざまで、あまり汚れていない汚水が入ってくることもあります。特に、清掃のあとの浄化槽は、嫌気処理が不十分になる場合もあるため、水質の管理には注意が必要です。
汚れが濃くなると
汚水が濃くなって、有機物の量が多くなると、酸素が使い尽くされます。すると、好気性微生物にかわって、嫌気性微生物の出番になり、嫌気的な分解が進みます。
こうした生物による処理は、微生物の量を高めて、かき混ぜたり、空気を吹き込んだりすることで、濃い汚水を効率よく分解します。
なぜ、清掃が必要なの?
ここが、この記事の本題です。生物の働きで浄化はされますが、その過程で、必ず汚泥やスカムといった、泥のかたまりが生じます。これらがたまりすぎると、浄化槽の機能に支障が出て、処理が不十分になったり、悪臭の原因になったりします。
- 生物の働きで浄化はされるが、汚泥やスカムが必ずできる
- たまりすぎると、処理が不十分になる
- 悪臭の原因にもなる
そのため、スカムや汚泥を、バキューム車で槽の外へ引き抜き、付属の装置や機械類を洗浄・掃除する作業が必要になります。この一連の作業が「浄化槽の清掃」です。
清掃は、浄化槽の維持管理のうえで、とても重要な作業です。年1回以上(全ばっ気方式の浄化槽は、半年に1回以上)の実施が、法律で義務づけられています。
浄化槽の清掃が管理者の義務であること、作業のときのお願いについては、「浄化槽の清掃」もご覧ください。
参考
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